美と醜悪 洗練と粗雑

2017.02.28

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巨費を投じ続けている施設
報いられるその瞬間の到来を今や遅しと待ち侘びている
巨大で深閑な空隙に虚しい時間の遣い方、惨めで憂鬱な感慨に耽る
美と洗練、最先端の市場の筈であった
豊洲市場

歴代の都知事、思惑や本心を悉く言葉の連鎖で半ば力尽くで導き、周囲の多数が賛意を示していたが、又も“政治と金”問題で失職
傲慢で自惚れた不躾で強硬な態度が恰も突然の災厄に襲われたかのように動揺していた
己の猜疑心を自嘲する余裕すらなく、都民いや国民が憎悪に満ちた諍いの渦中の人物に軽蔑の念を抱いた
頑なに辞職を拒んだのは、味方と成るべき資格を持つコネクションに対する狡猾な算段が働いたに過ぎないという疑いの兆すのを禁じ得なかった
自分の思想や行動に驕り高ぶる事無く自省的でなければならなかった

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さて毀誉褒貶を受けている新都知事
圧勝であった選挙結果に躊躇いもなく称賛、賛美を贈った都民も多いのであろう
身分や立場、環境までも含め、知的混乱が捗り具合を遅らせる、お手並み拝見である
落選の憂き目に遭った垢抜けない大同小異の中間色より心情的に親近感がある

内訳の詳細について情報開示がなされず不明瞭な形で推し進められてきたが、現実を正視し抜本的問題から解決していかなければならない
秩序の中に民意を順序良く委ねていく事が大まかな作業であるが、渾沌とさせているのが終始揶揄し続けている凡庸な役人達との不甲斐無い煩瑣な議論である
取るに足らぬ些細な隙間も逃がさず、染み入るように不備を槍玉にあげる者に滑稽さを免れず、理不尽さと稚拙な感受性の過敏を内省できずにいる者のように見え辟易する
対して知事は、自分の良心を宥める事のみを欲する者の勝手な義務感や満足感、達成感で意見しているとも思えないし、一種の憐憫さを掻き立てられる

嘗て厳格さと絢爛を鏤め魅惑して耀いていた築地市場
虚しさと寂寥無機質で憐れな豊洲の箱に息吹を魂を投入できるか否かの瀬戸際である
万人に有益な理想は今となっては寧ろ徒労感に追い討ちを懸けるばかりで、皆の桃源郷を探す事を否定はしないが、羞恥心や虚栄心、厳格な配慮も一先ず措いて置いて、苦悩や葛藤、不安に苛まれながらも、偏狭な自分自身を貫く牽引力、支配力もときには不可欠かと思う此の頃である
何れの選択になるにせよ、端然とした結論、均整の取れた結論を持って早期の解決を希望します。